9月15日 敬老の日心はいつも15日 小諸の亡母を思う日 佐久平クリニック 長野再話研究会


 今朝ふと気がつくと、彼岸花の茎がぐーんとのびて蕾をついています。思わず歓声をあげました。この花には忘れられない、感謝の思い出があります。
 子猫の勘ちゃんを育てていた時のことです。生まれつき目の悪かった勘ちゃんでしたが、交通事故がきっかけで、目が見えなくなり、家の中で囲いを作ってやって、飼っていました。とても良く懐いて、最後はリードが無くてもわたしの周りをずっと、ついて歩く、野菜取りも一緒にする、可愛い勘ちゃんでしたが、ある日突然口から泡を出して、苦しむので、すぐクリニックへ連れていくと。腎臓がかなり弱っているとか。それから1週間は、つききりで看病してやりましたが、9月下旬の日曜日にあの世へ旅立ってしまいました。
 勘ちゃんとの思い出に浸り悲む毎日でしたが。ふと彼岸花の蕾に気が付き、その生きる姿に感動しました。勘ちゃんの死から、一歩前に出ることが出来ました。私に前を向くことを教えてくれた、彼岸花です、あの時の感動と、自然への感謝は今もわすれられません。悲しみは自然に触れることで、かなり癒されます。
 勘ちゃんは、リリーちゃんの3回目の出産で最後まで残った子猫でした。生まれつき目の悪かったので、目をこすらないように首の周りに用具をつけながらも、元気に成長しました。甘えん坊でかなり遅くまでリリーのおっぱいを飲んでいました。その勘ちゃんも成長して、家の周りを自由に歩くようになった頃のお盆の13日です。家に用事に来た人の軽自動車の後輪にひかれて、瀕死の状態でした。でもはっきり呼吸をしているので、ペットクリニックへ電話すると、朝の7時半ころでしたが「すぐ連れて来てください」と言っていただいたので、すぐ行きました。レントゲンを撮ったり、注射をしたりしました。脳挫傷との診断で、一晩入院しました。「助かる見込みはないので、家で看取ってください」といわれて迎えにいきました。家について「ここが勘ちゃんのうちだよ」と教えるとしっぽをふって、「ニャーン」と一声あげます。玄間のとを開けて「家に帰ったよ」と話しかけるとまた「ニャーンと鳴いてしっぽをふります。
 こんなに反応がしっかりあるので、もしや、、と思いながら、脱衣籠へふとんをしいて、寝せてやりました。それから、常に様子を見て、体位交換を何回もしてやり、看取る覚悟で様子をみていました。かすかな呼吸をしながらも、3日目になったので、「呑まず食わずじゃ可哀そうだから」と脱脂綿にミルクを含ませて口のところへ持って行くと、口を動かし脱脂綿を吸うので、びっくりしました。勘ちゃんは生きよとしてる。そう思ったので、ミルクを少しづつくれていきました。
 それからは離乳食を買ってきて、注射器で少しづつ口へ入れてやりますと、口を動かして食べてくれます。
 このころは、もう看護婦さんになったつもりで、一生懸命面倒を見てやりました。[
 日増しに元気になり、背中を動かし脱衣籠から這い出しています。そこで衣装籠に移してやりましたが、どんどん力が付いてうっかりしてると這い出すまで元気になりました。そこで歩かせてみると。5、6歩、歩いては寝転ぶ、丁度赤ちゃんのようでした。
 でも根気よく歩く練習をして、1ヶ月ほどしたら、リードをつけて散歩まではじめました。
土の上でおしっこしたり、うんちをした時は、歓声をあげて喜んだものです。
 毎日すこしづつ、距離を延ばして、ついにお稲荷さんまで散歩するようになりました。後から生まれた子猫のももちゃんが、一緒についてきてくれます。親猫のりりーちゃんも心配しながら後からついてきて、3匹でのお散歩が始まりました。 つづく